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2017年度 中部支部 第2回研究会

Posted in 研究会 on 12月 1st, 2017 by admin – コメントは受け付けていません。

2017年度 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会

日時:2017年 12月09日(土)13:30より
会場:愛知県立芸術大学 新講義棟大講義室

   (〒480‒1194 愛知県長久手市岩作三ケ峯1‒114)

◎スケジュール(予定)
 13:30~13:35 開催校挨拶
 13:35~14:00 研究発表:石井晴雄会員(愛知県立芸術大学准教授)
 14:10~15:30 招待講演:ロラン・ミニョノー氏&クリスタ・ソムラー氏(リンツ美術工芸大学教授)

 ※終了後、学内にて懇親会(ティーパーティー)

◎招待講演(愛知県立芸術大学レジデンスアーティスト講演)
“Between audience participation and interaction: designing interactive art systems”
(観客の参加とインタラクションの狭間で:インタラクティブ・アート・システムのデザイン)

ロラン・ミニョノー氏& クリスタ・ソムラー氏(リンツ美術工芸大学教授)

ロラン・ミニョノー氏とクリスタ・ソムラー氏 / Laurent Mignonneau & Christa Sommerer略歴
国際的に活躍するメディアアーティスト、インタラクティブアートの研究者。米国と日本で10年にわたり研究と教育を行った後、オーストリアのリンツ美術工芸大学に教授としてに着任し、インタフェースカルチャー部門を開設した。二人は米国ケンブリッジのMIT CAV、米国イリノイ州シャンペインアーバナのベックマン研究所、東京のNTTインターコミュニケーションセンターの客員研究員、デンマークのオールボー大学のオベル客員教授、筑波大学の客員教授などを歴任、ロラン・ミニョノーはパリ第8大学のシャイア国際客員教授も歴任している。
これまで約30のインタラクティブな作品を制作し、スペインのマドリードで行われた2016年のARCO BEEP賞、1994年のGolden Nica Prix Ars Electronica Award、などをはじめとして数々の賞を受賞している。今年9月、愛知県立芸術大学芸術資料館にて開催した「インターフェイスとしての映像と身体」にて、[Protrait on the fry]の展示を行った。

◎研究発表
三ケ峯里山ハウス 自給自足からネットワーク、共生へ
石井晴雄会員(愛知県立芸術大学准教授)

要旨:
愛知県立芸術大学の石井研究室では2005年から大学の敷地内で農耕を始め、2007年から学生と家を建て始めるなど、自給自足的な暮らしを目指した活動を始めた。そして2008年から地域の住民と自然体験のワークショップを始め、その後地域の農ある暮らしのポータルサイトを制作し、地域の住民の交流イベントを開催するなど、ネットワークや地域の交流を含めた多様な活動をしている。本発表では学内で家を建てた経緯とその後の活動の推移を報告し、さらにその活動と1960年代以降のカウンターカルチャーとその後のサイバーカルチャーや共生の思想との関連について考察する。
農耕や家の建設、自然体験のワークショップなどの一連の活動を始めた当時は、2006年にアル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領の映画『不都合な真実』(原題: An Inconvenient Truth)が公開され、地球温暖化などの環境問題がクローズアップされていた。また日本においても地域の過疎や環境破壊、森林の荒廃や農、食などの様々な問題が表面化していた。また当時はインターネットが高速回線に常時接続され、スマートフォンやSNSが普及しつつあり、誰もがどこでも多様なコミュニケーションができる様になりつつあった。そして都会や屋内の環境に縛られることなく、野外や地域、社会そのものが活動のフィールドになりつつあった。一方インターネット上には複製可能で再生可能な情報が氾濫し、複製不可能なモノや、再生不可能なその時その場でしかできないコトや体験が価値を持つ時代になりつつあった。
その様な時代背景の中で、環境やフィールドワーク、地域の特徴を生かしたモノやコトのデザインをテーマに、自然農による農耕や家の建築、地域の住民との自然体験のワークショップは継続された。しかし当初の自然農を中心とした自給自足的な暮ら 2011年に東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故があり、エネルギーを自給することの重要性を感じ、建てた家にソーラーパネルや風力発電機とバッテリーを備え付けて自然エネルギーの利用の実験を始めた。また震災を通して地域の住民同士の関係を作ることの必要性を感じ、地域の農ある暮らしのためのポータルサイトや地域の観光・交流のためのwebサイトを制作した。また地域の住民が集まって交流できる音楽とアートのイベントを始めるなど、当初めざした自給自足的な暮らしから、インターネットを使ったネットワークへ、そして地域住民の交流と共生をめざす方向へとテーマは推移していった。
これらの推移は結果として、1960年代以降のカウンターカルチャーの時代のコミューンなどが目指していた自給自足的な共生社会への理想が挫折し、若者は都市へ回帰し、ネットワークなどのサイバーカルチャーの中で共生を目指した流れと重なるものがある。しかし1960年代のカウンターカルチャーの時代に自給自足的な共生社会の理想が挫折した背景には、それらを実現するための実際的なツールが存在しなかったことがあげられる。しかしその後Whole Earth Catalogなどの雑誌のよって様々なツールへのアクセスが可能になり、パーソナルコンピュータなどの個人の能力を拡張するツールや、パソコン通信などのネットワークのためのツールが開発されていった。そして現在ではスマートフォンやインターネット、様々なオンデマンド生産技術や自然エネルギー、電気自動車などの水平分散型の情報、生産、エネルギー関連の技術へのアクセスが可能になり、オープンやシェア、フィードバックといったサイバーカルチャーが目指した思想が社会の中で一般化しつつある。そして現在は1960年代に夢見た共生社会を、様々な現実的なツールを獲得しながら現実社会の中で実現して行く過程なのではないだろうか。その様な問いを元に、今後も地域において実践的に研究をおこなう。

◎会場へのアクセス
名古屋東部丘陵線リニモ「芸大通駅」徒歩10分
詳細は、下記のリンク先をご確認ください。
https://www.aichi-fam-u.ac.jp/guide/guide04/guide04-01.html