2023年度 中部支部 第1回研究会

2023年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会
日時:2023年9月23日(土)13時30分より
会場:中部大学 2522講義室(25号館2階)
〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地

◎研究会スケジュール(予定)
13:00 – 第1回研究会 受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 – 14:35 研究発表(2件)
 休憩
14:50 – 15:50 招待講演(1件)
15:50 – 16:20 ディスカッション
16:20 – 閉会あいさつ
 休憩
16:30 – 支部総会(研究会終了後に開催)

◎招待講演
映像人類学の話法-蛇行、創発、ジャズー
川瀬 慈

要旨:
ストリートの、場末の酒場の、憑依や祭祀の現場の人々の濃厚なつながりややりとり、神や​​精霊とのジャムセッションに突き動かされて撮ってきた。いや、撮らされてきた。被写体は、こちらの意図、企図をまっこうから覆す存在である。また、視聴者も決して受動的ではなく、時には受け取ったイメージからさらなるイメージを創造し、応答し、私を揺さぶり続ける存在でもある。映像をめぐる世界は創発し続けるフリージャズだ。本講演では、主にエチオピアの音楽文化を対象に制作してきた作品や作品をめぐる議論を紹介しつつ、自らの映像話法、及びイメージをめぐる思考の変遷について省察的に考察したい。

川瀬 慈(かわせ いつし)氏 プロフィール

1977年岐阜県生まれ。国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。エチオピアの吟遊詩人の映像人類学研究を基軸に、アフリカと日本における芸能、宗教、祭祀等に関する映像作品の制作に従事する。主著に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、2018年、第6回鉄犬ヘテロトピア文学賞)、『エチオピア高原の吟遊詩人 うたに生きる者たち』(音楽之友社、2020年、第43回サントリー学芸賞、第11回梅棹忠夫・山と探検文学賞)、詩集『叡智の鳥』(Tombac/インスクリプト、2021年)。国際ジャーナル TRAJECTORIAの編集及び、Anthro-film Laboratory の運営を行う。毎日放送番組審議会委員。
所属:国立民族学博物館、総合研究大学院大学

◎川瀬慈 上映会+ミニレクチャー
研究会とは別日になりますが、中部大学 人文学部 コミュニケーション学科により関連イベントが企画されています。
 日時:9/19(火) 13:35~15:05
 場所:中部大学50号館1階 5011講義室
 主催:中部大学 人文学部 コミュニケーション学科

◎研究発表(2件)
日本アニメと中国の関係ードラえもんを中心にー
趙 爽(名古屋大学 人文学研究科 博士前期課程2年)
要旨:
本発表では、アニメ流通とメディアの変容に注目し、『ドラえもん』を例に、その世代を超えた受容現象を通じて日本アニメと中国の関係を探求する。中国の多様なメディア・プラットフォームにおける『ドラえもん』の流通・受容を分析し、日本アニメ作品の表象とメディア流通における特徴は、中国における経済的・政治的な側面とどのように関わってきたのかを明らかにする。

撮影者のまなざし ~写真撮影の動機をめぐる映像3部作の考察~
樋口 誠也(名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科 助教)
要旨:
私たちは常に撮ろうとして見ているわけではなく、何かを見てしまった時にカメラを向ける。しかし、目の前の対象に目と意識を向けていたはずが、カメラを挟むことで、撮影者の意識はフレーム内をいかに構成するかという問題に置き変わる。そして、対象を画像(イメージ)へ変換する。写真撮影という、イメージを生成・収集する行為はどのような動機で起こっているのか、撮影者の立場から考察を試みた3つの作品について、発表・解説する。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場:2522講義室(25号館2階)(研究会会場と同じ)
時間:12:30 – 13:00

◎会場へのアクセス
https://www.chubu.ac.jp/about/location/

<お車でお越しの方>
・東名高速道路春日井インターチェンジより約5分

<公共交通機関でお越しの方>
・JR中央本線「神領」駅北口「中部大学バスのりば」から名鉄バス中部大学線で約10分
・JR中央本線/愛知環状鉄道「高蔵寺」駅 北口 8番乗り場から名鉄バス「中部大学」行き
*バスの時刻表は、上記のURLから検索できます。
*9/23は休日ダイヤ運行

・バス利用でも自動車利用でも正門よりお入りください。
・自動車利用の場合は、正門にいる守衛に映像学会中部支部研究会参加の旨を伝えてください。

2023年度 中部支部計画

中部支部では、2023年度の研究会を下記のように計画しています

・中部支部 第 1 回研究会
 9月23日(土)|会場:中部大学
(研究発表1, 2件、招待講演1件を予定)研究会後、同会場にて総会を開催予定

・中部支部 第 2 回研究会
 12月17日(日)|会場:オンライン(担当校:名古屋学芸大学)
(研究発表1, 2件、招待講演1件を予定)

・中部支部 第 3 回研究会
 日程は今後調整(2月末〜3月を予定)|会場:名古屋造形大学
(研究発表1件、学生作品プレゼンテーションを予定)

2022年度 中部支部 第2回研究会

2022年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会

日時:2023年3月5日(日)13時30分より
会場:愛知県立芸術大学  新講義棟 大講義室
〒480‒1194 愛知県長久手市岩作三ケ峯1‒114

◎研究会スケジュール(予定)
13:15 – 第2回研究会 受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 – 14:05 研究発表(1件)
 休憩
14:15 – 15:20 学生作品プレゼンテーション I
15:30 – 16:20 学生作品プレゼンテーション II
16:20 – 閉会あいさつ

◎研究発表
角川映画の予告編とメディアミックス
北嶋玲子(名古屋大学大学院 人文学研究科 映像学専攻 修士課程2年)

要旨:
予告編は長年日本映画史において機能し続けている。しかしながら、これまで予告編はあくまで映画を宣伝するための映像メディアとして二次的なものと捉えられ、学術的に言及されてこなかった。そこで、本研究は1970年代から1980年代の角川映画の予告編に焦点を当ててその特徴と機能性を考察し、異なるメディアと結合し、その特性を内在化することによって発展してきたことを明らかにする。

◎学生作品プレゼンテーション
当日は作品上映はせず、制作者の学生による作品解説(3分程度)と、質疑応答(5分程度)を行います。
作品については特設サイトをご参照ください。
https://sites.google.com/view/jasias-chubu2022
事前に上記の特設サイトに掲載された作品の視聴を推奨します。

<発表者(発表校順)>
◉愛知淑徳大学
《「撮る」を撮る》 10分40秒
渡辺実希子(創造表現学部 創造表現学科 メディアプロデュース専攻 4年)
《革命前夜》 3分4秒
水野晋作/片山竜斗/大西創一朗(創造表現学部 創造表現学科 メディアプロデュース専攻 4年)

◉静岡理工科大学
《 先端アート研究室2022年度3年生共同制作作品》 2分41秒
先端アート研究室3年生(先端アート研究室 3年生)

◉情報科学芸術大学院大学
《めぐり雑景図 二》 7分43秒
西尾秋乃(メディア表現研究科 前期博士課程1年)
《あなたとは出会わなくても良かったかもしれません 02》 9分25秒
宮﨑那奈子(メディア表現研究科 前期博士課程2年)

◉椙山女学園大学
《「夜が引いていく]-動画によるコスプレ表現の提案 ―撮影方法・編集の工夫による動画制作の実践から―》 2分29秒
山村咲季(文化情報学部 メディア情報学科 4年)
《飼い犬と飼い主の視点から世界をみる》 2分53秒
神谷梨央(文化情報学部 メディア情報学科 4年)

◉名古屋学芸大学
《肉にまつわる日常の話》 4分25秒
石川真衣(メディア造形学部 映像メディア学科 4年)
《ジグリング》 2分35秒
小沼亜未(大学院 メディア造形研究科 1年)

◉名古屋芸術大学
《すがれる4月》 1分46秒
長坂 泉美(芸術学部 芸術学科 メディアデザインコース 4年)
《NOA’s ARK》 2分28秒
宮田 果奈(芸術学部 芸術学科 メディアデザインコース 4年)

◉名古屋文理大学
《Public》 6分23秒
野村隆也(情報メディア学部 情報メディア学科 4年)

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会 ※幹事メンバーのみ
12:30-13:00(場所:新講義棟 大講義室)

◎会場へのアクセス(愛知県立芸術大学)
http://bit.ly/3I6QwOy
<お車でお越しの方>
学内駐車場をご利用ください。(無料)
・東名高速道路 長久手ICから約5分

<公共交通機関でお越しの方>
・市営地下鉄東山線「藤が丘」駅下車、東部丘陵線(リニモ)に乗り換え「芸大通」駅下車 徒歩約10分
・市営地下鉄東山線「本郷」駅又は「藤が丘」駅からタクシーで約15分

◎問い合わせ
 jasias.chubu@gmail.com

2022年度 中部支部 第1回研究会

2022年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会

日時:2022年10月1日(土)13時30分より
会場:名古屋文理大学 FLOSホール(FLOS館 3階)
〒492-8520 愛知県稲沢市稲沢町前田365

◎研究会スケジュール(予定)

13:00 – 第1回研究会 受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 – 14:35 研究発表(2件)
 休憩
14:50 – 15:50 招待講演(1件)
15:50 – 16:20 ディスカッション
16:20 – 閉会あいさつ
 休憩
16:30 – 支部総会(研究会終了後に開催)

◎招待講演
ポストメディア時代のテレビの可能性
阿武野 勝彦氏

要旨:
カメラの小型化、低価格化がすすみ、またインターネットが普及した今日の情報環境において、「映像」はテレビ局や映画会社だけが扱えるものではなくなっている。あるいはメディア業界もそれに応じてさまざまに変化しているように見える。しかし、映像の民主化、あるいはジャーナリズムの民主化が実現されているかというと、必ずしもそうではないように思われる。
そうしたなかで、ドキュメンタリー作品を劇場公開しつづけている東海テレビの仕事は今日のメディア環境において一種の特異点であり、来たるべき時代のメディアのあり方を想像するための重要な手がかりを提供するものであるように考えられる。
この講演では東海テレビ放送ゼネラル・プロデューサーの阿武野勝彦氏を招き、これまでに携わってこられた仕事を振り返りながら、テレビマンとしてこれからのメディアと社会の関係をどのように捉えられているかをお話しいただく。

阿武野勝彦(あぶの・かつひこ)氏 プロフィール

1959年静岡県伊東市生まれ。81年同志社大学文学部卒業後、東海テレビに入社。アナウンサー、ディレクター、岐阜駐在記者、報道局専門局長などを経て、現在はゼネラル・プロデューサー。2011年の『平成ジレンマ』以降、テレビドキュメンタリーの劇場上映を始め、『ヤクザと憲法』『人生フルーツ』『さよならテレビ』などをヒットさせる。18年、一連の「東海テレビドキュメンタリー劇場」が菊池寛賞を受賞。著書に『さよならテレビ——ドキュメンタリーを撮るということ』(平凡社新書、2021年)。

研究会と別日となりますが、下記の上映会が企画されています。
あわせてご参加ください。

『さよならテレビ』上映会
 ●英語字幕版
 ●プロデューサー阿武野勝彦氏のトークあり
 ●日時|10月17日[月]17:00-19:30
 ●会場|名古屋大学文系総合館7階カンファレンス・ホール
 ●予約不要
 ●問合せ先: joeikai2022@gmail.com

◎研究発表(2件)
2020年代初頭の記憶について再考する作品展示
小寺 諒 会員(愛知淑徳大学 助手)
要旨:
私は作品「Unforgettable Times」の展示を通して、2020年代初頭の記憶について再考する試みを行ってい る。新型コロナウイルス感染症との共存状態に慣れた私達は、人がほとんど消えた繁華街といった2020年頃 の特異な光景を、もう忘れかけているのではないだろうか。そこで、感染拡大期の記憶について再考する作 品展示を、二度実施した。発表では、その過程や結果について報告する。

『Traffic』ー身体感覚の延長としての映像表現
伊藤 仁美 会員
要旨:
個展『Traffic』と関連作品による作品について発表。
ぼうっと佇んでいる状態の意識の形態をテーマに、身体感覚の延長として映像表現を繰り返し試みている。
パーソナルスペースを強く感じる視点から、個々の体験・記憶が想起されるイメージを元に再構築している。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場: FLOS館 3階 F304演習室
時間:12:30 – 13:00  

◎会場へのアクセス
名古屋文理大学
名鉄名古屋本線「国府宮」駅より 徒歩15分
名鉄バスで5分(「アピタ稲沢店」「矢合観音前」行き、「稲沢町前田」下車徒歩1分)
*徒歩の方はキャンパス西側の正門よりお入りください。
*駐車場入口はキャンパス西側にございますが、利用台数が限られているため、可能な限り公共交通機関をご利用ください。
https://www.nagoya-bunri.ac.jp/about/access/

2022年度 中部支部計画

中部支部では、2022年度の研究会を下記のように計画しています


・中部支部 第 1 回研究会
 10月1 日 (土)|会場:名古屋文理大学
(研究発表1, 2件、招待講演1件を予定)研究会後、同会場にて総会を開催

・中部支部 第 2 回研究会
 3月5日 (日)|会場:愛知県立芸術大学
(研究発表1, 2件、学生作品プレゼンテーションを予定)

2021年度 中部支部 第2回研究会

2021年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会
日時:2022年3月5日(土)13時30分よりオンライン開催
担当校:愛知淑徳大学

◎研究会スケジュール
13:15 –  受付開始
13:30 –  (配信開始)開会あいさつ
13:35 – 14:05 研究発表(1件)
休憩 5分
14:10 – 15:10頃 学生作品プレゼンテーション I
休憩 5分
15:15 – 16:20頃 学生作品プレゼンテーション II
16:20 –  閉会あいさつ
16:25  終了予定

◎研究発表

『Moving Text -映画資料を読む-』における資料活用と展覧会設計
池田泰教会員(静岡文化芸術大学 講師)

要旨:
「Moving Text -映画資料を読む-」は静岡文化芸術大学 図書館・情報センターが所蔵する映画資料を用いた展覧会である。
2013年に静活株式会社より寄贈された約5000点の映画資料と静岡・浜松地域に現存する1930年代-2000年代の文献資料をもとに〈地域と映画文化〉〈パンフレットの世界〉〈制作の舞台裏〉という3つのセクションを設け、約120点を公開した。
展示資料群は同一タイトルの準備稿、決定稿、現場での書き込み跡を持つものを中心に取り上げ、1つのテキストの変遷と資料間の関係を読み解く構成としている。
また空間設計においては、脚本資料の持つ「イメージの想起」という役割を展覧会の主体験とするために、会場に抽象化された風景を作り出し、その中に点在する資料を手に取って読む設計がなされている。約100種のパラメトリックデザイン(同構造違サイズ)による什器を要素とした設計過程では3Dシミュレーターを用いた試行錯誤とプロセスアーカイブが行われた。本論では文献資料活用の一例として展覧会の全体構想から設計、施工、実施までの一連のプロセスを報告する。

◎学生作品プレゼンテーション
作品上映は行わず、Zoomの画面共有を利用し、制作者の学生による作品解説(3分程度)と、質疑応答(5分程度)を行います。

<発表者(発表校順)>
◉愛知淑徳大学
《Habit(us) 1999》 4分51秒
滝澤美佳(創造表現学部創造表現学科メディアプロデュース専攻 4年)

◉静岡文化芸術大学
《CONNECTION》 4分50秒
南川創(デザイン学部/デザイン学科/ビジュアル・サウンド領域 4年)
《Strange Inventor》 2分55秒
広瀬太郎(デザイン学部/デザイン学科/ビジュアル・サウンド領域 4年)

◉情報科学芸術大学院大学
《 岐阜の片隅で記録する試み #3「高校で行われた凧揚げ大会の会場」》 14分32秒
宮﨑那奈子(メディア表現研究科 M1)

◉椙山女学園大学
《てのなかにおさまるあそび》3分07秒
岡美里(文化情報学部メディア情報学科 4年)

◉中部大学
《荒れのち晴れ》 4分21秒
杉浦妃菜里、田中一葉(人文学部コミュニケーション学科 1年)

◉名古屋学芸大学
《包/つつむ》 5分36秒
小沼亜未(メディア造形学部 映像メディア学科 4年 パフォーマンス領域 / インスタレーション領域)
《天の麓》 4分26秒
日比野曜(メディア造形学部 映像メディア学科 インスタレーション領域 4年)

◉名古屋芸術大学
《どこでも恐竜展~好奇心を育てる子ども向けワークショップ~》 3分
東元佐穂(芸術学部 芸術学科 デザイン領域 メディアデザインコース 4年)

◉名古屋市立大学
《Ghoul》 12分
芸術工学部学生有志グループ制作(芸術工学研究科/ 映像と映像制作グループ制作 1-4年生と大学院生)

◉名古屋文理大学
《怪物の明察》 90分(予告編2分)
倉知駿 (情報メディア学部 4年)
《kokoniaru》 10分(オリジナルは写真集)
野村隆也 (情報メディア学部 3年)

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会(オンライン)※幹事メンバーのみ
12:45-13:15

2021年度 中部支部 第1回研究会

2021年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会
日時:2021年10月17日(日)13時30分より
会場:名古屋芸術大学東キャンパス1号館7階アセンブリーホール
(〒481-8503 愛知県北名古屋市熊之庄古井281番)
中部支部会員はオンラインによる視聴可能(予定)

・発熱、咳などの風邪症状がある方は、ご来館をお控えください。
・新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、手指消毒にご協力ください。
・マスクの持参及び着用をお願いします。

◎研究会スケジュール(予定)
13:15 –  第1回研究会 受付開始
13:30 –  開会あいさつ
13:35 – 14:35 研究発表(2件)
休憩
14:50 – 15:50 招待講演(1件)
15:50 – 16:20 ディスカッション
16:20 − 16:50 施設見学
16:50 –  閉会あいさつ


17:00 –  支部総会
(研究会終了後に開催)

◎招待講演
アナザーサイト──ギャラリーと生活空間をつなぐディジタル・アーカイヴ
茂登山 清文氏、遠藤 麻里氏

要旨:
私たちは,さまざまなモノに絶え間なく眼をむけ,情報を得て,日々を過ごしている。だが,見るという当たり前の行為について,どれほど意識し,理解しているだろうか?発表者らが取り組んできたヴィジュアルリテラシーは,見る対象はもとより,見る行為そのものに関する学際的な研究領域である。今回の企画「アナザー・サイト」では,現在,急速に一般化しつつあるイメージのオンライン観賞の課題のひとつである,見ることの「希薄化」をテーマとしている。見ることに特化したギャラリー空間と,日常的な生活空間とをつなぐことで,目の前に実在する物と,彼方にあるものを「見る」想像力について考えてみる。プログラムの組立てにあたっては,ACRL(大学・研究図書館学会)による「効果的に見つけ、解釈し、評価し、使い、つくりだすこと」を参照するとともに,ディジタル・アーカイヴの表現手法として,インフォメーショングラフィクスを試みた。

茂登山 清文(もとやま きよふみ)氏 プロフィール
名古屋芸術大学芸術学部特任教授 専門は,情報デザイン・視覚文化・ヴィジュアルリテラシー。建築論を学んだ後,主にアートとデザインをフィールドに活動。現在は,見ることについて実践的に思考するとともに,「芸術としての教養」教育に取り組んでいる。共編著に『情報デザイン』放送大学教育振興会,『ヴィジュアルリテラシー スタディーズ』中部日本教育文化会ほか。

遠藤麻里(えんどう まり)氏 プロフィール
金城学院大学国際情報学部講師 専門は情報デザイン・電子社会デザイン。社会の中の情報をICT技術を用いて、いかに見せ、応用するかについて研究を行う。「都市風景写真の活用とヴィジュアルリテラシーへの応用のためのアプリケーション開発」など。



◎交流空間「TERA」の見学(谷野大輔氏)
名古屋芸術大学東キャンパスに,ギャラリー「Art & Design Center East」,カフェ「Akkord」などからなる交流空間「TERA」が,2020年11月にオープンした。プロジェクトのコンセプトと経緯,学生参加などについて説明した後,施設を訪れ使われている椅子のコレクション,「アナザー・サイト」の展示を見学する。


◎研究発表(2件)
エストニア芸術アカデミーのアニメーション演習を反映させた「構成的思考」による物語の作り方
有持 旭 会員(近畿大学 准教授)

要旨:
プリート・パルンは母国エストニアだけでなく世界的に著名なアニメーション作家であり、多くの国の大学で教鞭を執ってきた。中でもエストニア芸術アカデミー(EKA)作品は国際映画祭で高評価を維持している。これまで日本国内でもエストニア作品の批評や論考を読む機会は幾度かあった。私の博士論文や紀要論文もそれらに含まれる。作品や作家を通してエストニア・アニメーションが紹介され論じられてきたわけである。
本発表では、作家であり大学教授であるパルンがどのようにアニメーション制作を指導してきたのか、そのノウハウを物語の作り方に注視し解説する。そしてその例としてパルン作品やEKA作品を見ていく。想像力とは何か。調和と緊張。思考を構成的にする。バラストを取り除く。こうした制作プロセスは風刺画家だったパルンのキャリアだけでなく、モスクワ・タルトゥ学派から継承されているエストニアの記号論とも関係してくるように考えられる。

「『ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだ』の報告
ー1989年以降の名古屋におけるメディア・アート / メディア・デザインの水脈とともに

吉川 遼 氏(名古屋文理大学 助教)
秋庭史典 氏(名古屋大学 教授)
伏木 啓 会員(名古屋学芸大学 教授)

要旨:
『ストリーミング・ヘリテージ|台地と海のあいだ』は、2020年度に企画されたアートプロジェクトである。3年度にわたって実施予定であり、1回目は2021年3月に行われ、2回目は2021年11月に行われる。「メディア=コンシャス/メディアへの意識」をテーマに、名古屋城と港をつなぐ堀川に隣接する産業・歴史遺産を利用して、国内外のアーティストによるインスタレーションやパフォーマンスを展示・上演し、研究者やアーティストを招いてのトークイベントも行われる。
本発表では、3月に実施したプロジェクトの報告とともに、世界デザイン博(1989年)や名古屋国際ビエンナーレ/ ARTEC(1989-97)より現在まで脈々とつながる名古屋におけるメディア・アート / メディア・デザインの水脈を視覚化する計画について説明する。

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
12:45-13:15

◎会場へのアクセス(名古屋芸術大学東キャンパス)
http://www.nua.ac.jp/outline/access/index.html
*名鉄犬山線「徳重・名古屋芸大」駅より東へ徒歩10分
*車で来場する場合は会場1号館北側の来客駐車場に停めてください
(許可申請・記名の必要はありません)
東キャンパスマップ
https://www.nua.ac.jp/campuslife/campus/east/

2021年度 中部支部計画

中部支部では、2021年度の研究会を下記のように計画しています

・中部支部第1 回研究会:
10月17 日(日)|会場:名古屋芸術大学(オンライン配信あり)
(研究発表1,2件、招待講演1件、予定)
研究会後、同会場にて総会を開催

・中部支部第2 回研究会:
3月(日程調整中)|会場:愛知淑徳大学
(研究発表1,2件、学生作品プレゼンテーション を予定)

2020年度 中部支部 第2回研究会

2020年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会
2021年3月10日(水)13時30分よりオンライン開催
担当校:名古屋学芸大学

◎研究会スケジュール
13:20 –  受付開始(中部支部会員 / 学生作品プレゼンテーション参加者)
13:30 –  (配信開始)開会あいさつ
13:35 – 14:05 研究発表
(1件、発表20分、質疑応答5分 予備時間5分)
<休憩> 5分
14:10 – 15:20頃 学生作品プレゼンテーション I
<休憩> 10分
15:30 – 16:30頃 学生作品プレゼンテーション II
16:30 –  閉会あいさつ
16:35  終了予定

 

◎研究発表

「Fluctuate」「Fluctuate 2」について
森真弓会員(愛知県立芸術大学)

要旨:
この2作品は、日ごろ意識しているモノやコトの隙間にある、無意識を意識させることによって、新たな気付きを生み出す効果を狙ったVR映像である。重ねられた環境音とスリットやグリッドで区切られた風景は、見る人が何を意識するかによって揺れ動く。知っているようで知らない、わかりそうでわからない、非日常のような日常を表現している。
 
 

◎学生作品プレゼンテーション
研究会当日は、作品制作者の学生によるプレゼンテーション(3分程度)と質疑応答(5分程度)が行われます。

<発表者(発表校順)>
◉名古屋芸術大学
『井守端会議』
 浅田 一樹(芸術学部 芸術学科 デザイン領域 メディアデザインコース 4年)
『INTENTION』
 ディレクション:平山 亮太、作曲:武石 智仁(芸術学部 芸術学科 デザイン領域 メディアデザインコース 3年)

◉愛知県立芸術大学
『SYNCROLL』
 上田朝也(美術学部 デザイン・工芸科 デザイン専攻 4年)
『Make a pattern』
 石川 陽菜(美術研究科 博士前期課程 美術専攻 デザイン領域 2年)

◉静岡文化芸術大学
『Deep in Blue』
 桜木 葉月(デザイン学部 ビジュアルサウンド領域 4年)
『LOTOPO』
 杉屋 泰誠(デザイン学部 ビジュアルサウンド領域 4年)

◉椙山女学園大学
『Afterglow 9:16で撮影』
 二村 真以(文化情報学部 メディア情報学科 4年)
『楽しく過ごそうおうち時間』
 西川 みゆ, 伊里 成未, 小野田 往子(文化情報学部 メディア情報学科 4年)

◉中京大学
『re:mind』
 赤尾 将吾 (発表者)、他(工学部メディア工学科、他)

◉名古屋学芸大学
『戯れ子ばこ』
 西尾 秋乃(映像メディア学科 インスタレーション領域 4年)
『記し”shirushi”』
 成田 開(大学院 メディア造形研究科 2年)

◉名古屋文理大学
『Magic of Reverie』
 倉知 駿(情報メディア学部 情報メディア学科 3年)

◉愛知淑徳大学
『河出雄浩 映像作品集』
 河出 雄浩(創造表現学部 メディアプロデュース専攻 4年)
『池田美結 デザイン作品集』
 池田 美結(創造表現学部 メディアプロデュース専攻 4年)
 
 

◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会(オンライン)※幹事メンバーのみ
12:45-13:15

2020年度 中部支部 第1回研究会

2020年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第1回研究会
2020年12月12日(土)13時30分よりオンライン開催
担当校:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]

◎招待講演
佐藤 時啓氏(写真家)
1:17:08 –(40分)
◎研究発表
須藤 信 会員(愛知淑徳大学人間情報学部 助教)
11:07 –(20分)
鈴木 浩之 会員(金沢美術工芸大学 美術科油画専攻 准教授)
41:00 –(20分)

◎研究会スケジュール(予定)

13:00 –  受付開始
13:30 –  開会あいさつ
13:35 – 14:30 研究発表
(2件、発表20分、質疑応答5分 予備時間5分)
休憩 10分
14:40 – 15:15 招待講演(1件 35分)
15:15 – 15:30 ディスカッション(15分)
15:30 –  閉会あいさつ
15:35 終了
13:20 –  受付開始(中部支部会員)
13:30 –  (配信開始)開会あいさつ
13:35 – 14:30 研究発表
(2件、発表20分、質疑応答5分 予備時間5分)
休憩 10分
14:40 – 15:15 招待講演(1件 35分)
15:15 – 15:30 ディスカッション(15分)
15:30 –  閉会あいさつ
15:35  終了

◎招待講演
Camera Obscura から Magic Lanternプロジェクト
ー 光に触れるこころみ ー

佐藤 時啓氏(写真家)

デジタル時代の今日、光が孔を通じて暗闇にイメージを成すこと、その光と闇との呼応関係に気づく機会はほぼ無いと言って良い。しかしその実、映像が生じる仕組みとしては針孔の原理が発見されカメラオブスクラが発明された時代から何も変わっていないのだ。どんなに高級なデジタルカメラを使って写真を写そうにも、8Kのプロジェクターでイメージを投影しようとも、今のところ光学原理の根本である、孔を通じたイメージのやり取りやレンズガラスの屈折による集光という仕組みから逃れることは出来ない。しかしながら現在はその部分を全く意識せずにインターフェースの操作でイメージが得られる時代になった。私はそんな時代を生きながら、光学原理の原点を用いて作品を制作し、そして人々ともに様々なワークショップの活動を行っている。また美術のコンテクストから始まった私の行為も、モダンからポストモダン、そしてさらなる時代への思考から人々との関係性を構築する活動がベースになってきた。

佐藤 時啓(さとう ときひろ)氏 プロフィール
1957年、山形県酒田市に生まれる。1981年、東京芸術大学美術学部彫刻科卒業。1983年、同大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。1990年、第6回東川賞新人作家賞受賞。1993年、メルセデス・ベンツ・アート・スコープ賞受賞によりフランス滞在。1994年、文化庁在外研修員としてイギリス滞在。2015年、第65回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。国内外で個展を多数開催、グループ展にも多数参加。東京都写真美術館、埼玉県立近代美術館、シカゴ美術館、ヒューストン美術館などに作品が収蔵されている。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。

現在、佐藤時啓氏は原美術館「光―呼吸 時をすくう5人」に出品されています。原美術館でのトークの記録がインターネットで公開されており、自作解説を聞くことができます。こちらをご覧になってから招待講演をご視聴いただくことをお薦めします。

原美術館「光ー呼吸 時をすくう5人」展 鼎談記録映像

◎研究発表(2件)

「手が潰される感覚」を味わうメディアアートの開発

須藤 信 会員(愛知淑徳大学人間情報学部 助教)※発表者
山口 李々菜(愛知淑徳大学人間情報学部 4年)※共同研究者

要旨:
近年のHMDを用いるVRコンテンツでは、身体所有感の研究が進められている。名古屋市立大学大学院の研究者らが発表したStretchar (m)(2017)では、ぶら下がり運動を用いて腕の伸縮感を誘発させることが可能であることが明らかにされた。このように、HMDを用いて体験者に疑似的な感覚を与えるVRコンテンツが開発されているが、手指の動きが連動するコンテンツの制作は進んでいない。手指がVR環境で連動することは、体験の没入感や身体所有感を高めることが期待できるため、本研究では現実環境とVR環境の手指の動きが連動し「手が潰される感覚」が得られるメディアアートを開発した。
本作品は、鋼板が設置された机の前で、HMDを装着して体験する。椅子に座った体験者の視界に、作業台、椅子、ドア、蛍光灯、ハンマーが設置された空間が展開される。その空間では、巨大なハンマーが作業台に数秒おきに振り下ろされており、体験者は自身の手を鋼板へ伸ばすことで、振り下ろされるハンマーによって手が潰されることを疑似体験することができる。

地球観測衛星と電波反射器を利用した地上絵制作プロジェクトについて/2019年度の制作記録と8K映像化の試み

鈴木 浩之 会員(金沢美術工芸大学 美術科油画専攻 准教授)

要旨:
本発表では、継続中のアートプロジェクト「だいちの星座」(共同研究者:宇宙航空研究開発機構 研究開発員 大木真人氏 / JAXA地球観測研究センター第4回研究公募[2013~17年度]、JSPS科研費[2013~15年度、2016~18年度、2019~21年度]採択)の活動のうち、2019年11月に埼玉県久喜市にて実施された地上絵制作プロジェクト(主催|文化庁、埼玉県教育委員会)について振り返る。
2019年の埼玉県での活動は、小学校の校庭で児童らと臨んだ地上絵制作において電波反射器を自立・配置する手法を試みた。また、従来〈写真〉としてデジタルCプリント出力してきた「だいちの星座」作品を、「おさなごころを、きみに」展(2020年/東京都現代美術館)にてUHD 8K映像作品として上映した。コロナ禍でのプロジェクトの状況とあわせて、近年の活動を紹介する。
(参考映像「だいちの星座―えづらだいに彗星」4Kバージョン

◎補足情報

日本映像学会中部支部 幹事会(オンライン)※幹事メンバーのみ
12:45-13:15

日本映像学会中部支部 支部総会(オンライン)※中部支部会員のみ
(研究会終了後、引き続き Zoomを使用予定)※調整中
15:45 –  支部総会開催
16:15   終了