2025年度 | 日本映像学会 中部支部 | 第2回研究会
日時:2025年12月14日(日)(13:30)
会場:オンライン(Zoom)
担当校:情報科学芸術大学院大学
◎研究会スケジュール
13:20 – 第2回研究会 受付開始
13:30 – 開会あいさつ
13:35 ~ 14:35 研究発表(2件)
休憩
14:50 ~ 15:50 招待講演(1件)
15:50 – 16:20 ディスカッション
16:20 – 閉会あいさつ
16:25 – 支部総会
◎招待講演(トークイベント形式)
『想像力喚起の実践—認知作用型AIインタラクティブアートの制作から』
スコット・アレン(Scott Allen)氏
要旨:
認知作用型AIインタラクティブアートとは、鑑賞者の行為に応答してAIを用いた推論がリアルタイムに実行され、その結果が鑑賞者の認知プロセスに作用する形式を指す。本講演で紹介する筆者の作品、影をAIが「見立てる」《Unreal Pareidolia -shadows-》、顔から生成される景色を俯瞰する《Simulated Scenery -clouds-》、見知らぬ自分が映像に登場する《Ambiguous Boundaries -windows-》などでは、AIの出力それ自体ではなく、鑑賞者個々の知覚や想像力に及ぼす認知的効果が作品の本質を成す。生成AIによる創作物の均質化が進む中、技術を認知的効果を生むための装置として位置づけることで、個別的で多様な想像力喚起の可能性を、制作実践を通じて論じる。
略歴:
アーティスト 像楽家/生像作家 京都精華大学メディア表現学部専任講師
2016年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。人の想像力と視覚装置やテクノロジーの関係に着目し、投影装置の仕組みに物理的に介入し変調したり、日用品に手を加えることで像を作るスタイルでインスタレーション制作・パフォーマンス活動を行なう。また、深層学習を用いた作品制作やAIと協奏するライブコーディングユニットAi.stepとしてもライブ活動を行なう。主な受賞に、CVPR 2024 AI ART GALLERY Best works award、やまなしメディア芸術アワード2021優秀賞受賞など。近年参加の国際フェスティバルに「FILE 2025」(Foyer | Fiesp Cultural Center, Sao Paulo, Brazil)、「MUTEK Montréal Édition 21」(ONLINE Platform, Canada)などがある。
https://scottallen.ws/
◎研究発表(2件)
映画制作の教育手法に関する実践的研究
鈴木 清重|愛知淑徳大学
要旨:
種々の携帯端末が普及した現在、「誰でも映画が撮れる時代」といわれる。しかし、単発的に消費されやすい動画が普及した一方で、年間に制作される作品に占める映画(劇場鑑賞可能な映像)としての作品の割合は減少している可能性がある。
本研究では、現代の映像技術(テクノロジー)水準下で、映画を制作するために必要な技能(スキル)、技法(アート)を検討する。大学等での教育プログラムの実践を紹介しながら、映像教育の課題を考察する
SNSアプリにおける〈ホームタブ〉のUI設計の考察 ―再帰的な自己形成を支える「家」としてのSNS
林 亮太|名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科 助手
要旨:
本発表は、SNSアプリにおける〈ホームタブ〉の設計に着目し、ユーザーの行動様式や自己認識に与える影響を考察する。かつて「ネットサーフィン」として語られた漂流的な閲覧体験とは異なり、SNSでは、ユーザーごとに最適化された〈ホーム〉へ逐一回帰する構造を前提としている。このようなインターフェース環境が、投稿や閲覧を通じて自己像や他者関係を再帰的に調整・管理する、若者に顕著な実践に関与している可能性を論じる。
◎補足情報
日本映像学会中部支部 幹事会
※幹事メンバーのみ
会場:オンライン(Zoom)
時間:12:30 – 13:00